
ホームページを整理していたら、懐かしいレビューが出て来たので、このまま破棄するのも勿体無いなぁ、と思って、ブログの方に転載します。
ナイトノイズ
なんという素敵なタイトルでしょうか。ビリー・オスケイとマイケル・オドネルの二人が発表したこのアルバムには望郷に浸れるような懐かしい音が詰まっています。
ナイトノイズ、直訳すると夜の騒音でしょうか。ただしここに奏でられるのは都会の雑多な騒音などではなく、夜の静かな場所に行って初めて聴くことのできる静寂(しじま)の音。昔の人々は聴いていたであろう天界の音楽、そんな音がオープニングで聞くことができます。まさにこの音(実際はヴァイオリン)が、私の想像している天界の音として耳に届きます。
古星図に描かれている星座たちが、自分たちの時間をゆっくりと楽しむように天界で舞踏を踊る、ワルツ王ヨハン・シュトラウスはそれを念頭に“天体の音楽”を書いたのでしょう。このビリーやマイケルにもそんな音楽を聴くことができたのかもしれません。最後にはコオロギ鳴き声でナイトノイズも消えてゆきます。
ウィンダム・ヒルからリリースされるアルバムは、そのほとんどが「風景が音楽になった」「音が風景になった」というイメージがあって、この作品集もアルバムジャケットから想像し得る音楽が奏でられてきます。山の稜線に沿ってゆっくりと動く星たちが夜空に描く輝線が、微かな音色となって耳に届いてくるようです。
このデュオは今回のアルバムタイトルを2ndからグループ名として使い、メンバーも実妹をキーボードに加えて故郷の4人組ケルト・アンサンブルとしてデビューしています。