Windham Hill/Imaginary Road Studios

Windham HillとImaginary Road Studiosの音楽を紹介します

Robert Walling (2009)

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Robert Walling

 Imaginary Road Studiosの初期の作品で、全10曲がレコーディングされながら、結局日の目を見たのは1曲のみ。その曲はAdam Warnerが総合プロデュースをした『WOODWONGS』の中に収録されています。WillとNoahが参加しているシンプルな楽曲ですが、Windham Hillの流れを汲むゆったりとしたサウンドに酔いしれます(ちなみにこのアルバムには、ミュージシャン活動を止めてしまったDaniel Hechtの参加がビッグ・サプライズでした)。

 Robertを知ったのは、2006年ごろ、Will Ackermanがプロデュースしている作品をネット上でサーチしている時に出会いました。こちらからアプローチをしているうちに、アルバムの制作途中にあることや、来週はスタジオでミックスダウンだ、なとど情報を送ってきてくれました。そのうちFacebookというツールでやりとしようという要望があって、私もFacebookを使うようになりました。
 そうこうしているうちに「日本に変わったヤツがいるんだぜ!」見たいなノリでRobertから聞きつけたアーティストからメールが届くようになり(いわゆる「友だち」)。おもしろがってくれたのはJeff OsterやDamon Buxton、Rocky Rretzでした。

 そんなきっかけを作ってくれたのがRobertだったのですが、あれからすでに10年以上が経過してしまいました。未だにアルバムが出る気配はありません(時々はCorin Nelsonとつるんで演奏しているようですが)。

 

Robert Walling

HERE ALL ALONG / Rory Sullivan

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HERE ALL ALONG/ Rory Sullivan

HERE ALL ALONG / Rory Sullivan
Produced by Will Ackerman.

Recorded, Mastered by Corin Nelson.
Recorded at Imaginary Road Studios, Windham Country,Vermont.

  抜けの良いアコースティックギターのカッティングとヴォーカル。透明感のあるサウンドウィンダム・ヒル・メイツが参加してアンサンブルを奏でています。2009年はヴォーカル録りが多いのでしょうか?なんとなく「アメリカンアイドル」にでも出てきそうな青年という感じのミュージシャンですが、 アメリカの懐の広さを感じる一人です。
 ポール・マッカートニーバンドのメンバー(Steve Holley)や、T Bone Wolkというリズム隊がバンドをしっかりと支えています。

DECEMBER PEACE/ Stanton Lanier

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DECEMBER PEACE/Stanton Lanier

DECEMBER PEACE / Stanton Lanier

Produced by Will Ackerman.
Recorded, Mastered by Corin Nelson.
Recorded at Imaginary Road Studios, Windham Country,Vermont.

 

 白いアルバムジャケットは、まるでウィンダム・ヒルを髣髴とさせます。ジャケットに映る白い雪原。その白さを音で描くと、こんなにも純白で汚れのないピアノ の音色になるんだろう、ということを改めて思い起こさせてくれる名演、名録音です。持ち込まれた楽曲とスタジオの環境が見事に調和して、まさにジャケット に描かれた風景が音楽を奏でているかのようです。この感触(最初の音を聞いたとき、思わず目頭が熱くなる懐かしさ)、1985年の『A_WINTERS_SOLSTICE』と全く同じでした。

THE PATH AHEAD / Rocky Rretz

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THE PATH AHEAD/ Rocky Rretz

THE PATH AHEAD / Rocky Rretz

Produced by Will Ackerman.
Recorded, Mastered by Corin Nelson.
Recorded at Imaginary Road Studios, Windham Country,Vermont.

 あたかもジャケットの光景が浮かんでくるようなゆったりとしたメロディが、きらめく波 頭のように、押し寄せては引き、押しては引いてくるような、悠久の時を感じさせます。硬質なピアノの響きからは、サティの白い世界が見えてきます(う~ ん、Rockyのスタイルからサティを想像するのは難しいのですが…)。そして曖昧な記憶ではなく、一枚の写真を眺めているかのようにはっきりとした情景 が目の前に現れてくるような調べに彩られる世界。

JANE AND JOHN DOE/ Yasmin Tayeby

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JANE AND JOHN DOE/ Yasmin Tayeby

 Willがヴォーカルをプロデュースするのは比較的珍しく、ウィンダム・ヒル時代の1991年にDots Will Echo, John Gorka, Partty Larkin、今のスタジオになってからは1996年のFrank Tedesso, Louise Taylorを制作したぐらいです。今回の主人公はエジプト出身のミュージシャン

 

JANE AND JOHN DOE/ Yasmin Tayeby

Produced and Engineered by Will Ackerman and Corin Nelsen.
Recorded at Imaginary Road Studios, Windham Country,Vermont.
Music and lyrics by Yasmin Tayeby.

TRILLIUM / Kori Linae Carothers

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TRILLIUM / Kori Linae Carothers


 Imarinary Road Studiosの面々(Eugene, Jeff, David, T Bone etc)が参加したエレクトリック・ポップなアルバム。懐かしいところではダルシマー奏者のMalcolm Dalglish。そして、Koriと似た傾向のサウンド・クリエイターJeff Osterも大活躍です。

TRILLIUM / Kori Linae Carothers

Produced by Will Ackerman.
Mastered by Corin Nelsen.
Recorded at Imaginary Road Studios, Windham Country,Vermont.

 

THE COLOR OF SUNSHINE / Lawrence Blatt

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THE COLOR OF SHUNSHINE/Lawrence Blatt

 アイザック・ニュートン(1642-1727)が光に惹かれたように、このアルバムの主役も、何気ない日だまりの中でインスパイアされました。クレジットには解説書の中にもニュートンと同時期に光の回析について研究していたフランチェスコ・マリア・グリマルディ(1618-1663)の名前を見ることができて、思わずニヤリとしてしまいました。テーマが日光。タイトルからもわかる通り、各曲にはレインボー(プリズムで回析した表現を使うならスペクトル)が、当てはめられています。そのサウンドも何色にも変化する曲が登場するのがユニークです。そして、まるで光を求めて世界中を旅しているかのごとく、様々なタイプのサウンドが楽しめます。ロック、ブルース、スパニッシュ、そしてハワイアン。

THE COLOR OF SUNSHINE / Lawrence Blatt

Produced by Will Ackerman.
Engineer, Mixing Mastered by Corin Nelsen.
Recorded at Imaginary Road Studios, Windham Country,Vermont.